連休登山の警告
「春山も天候次第で冬山に 準備・計画万全に」
平成16年4月1日      山岳遭難対策中央協議会

 中高年を中心とした登山ブームの中で、今年も連休などを利用した多くの登山者が見込まれていますが、例年、春山において多くの遭難事故が発生しています。  
とりわけ、遭難者に占める中高年登山者の割合は7〜8割と高く、転・ 滑落、道迷い、転倒などの事故が多発しています。  

 この時季の春山は、ところによっては積雪が残り、天候が急変すると降雪もあるなど、ふもとは初夏の装いでも冬山に様変わりします。 こうした春山に対する基本的な認識の甘さから、天候に対する判断が適切でない、十分な装備が準備されていない、体力に見合ったゆとりある計画が立てられていないことなどにより遭難するケースが見受けられます。 もちろん、未熟な登山知識や経験不足、集団登山でのメンバー間の意識の違いなども遭難事故の一因となります。
山での自己は自己責任であることを肝に銘じてください。
 
 登山の計画に当たっては、山の状況や気象の特徴をしっかり把握するとともに、実際の登山に際しては、単独登山を避け、万全な計画・装備はもちろんのこと、(社)日本山岳協会及び各都道府県山岳連盟等の講習会等により、安全登山に必要な知識や技能を身につけた、経験豊かな能力のあるリーダーのもと、各自の体力と経験に応じて登ってください。
 
春山登山は気象情報の把握から
変わりやすい春山の天気
 
 ゴールデンウィークの頃は、移動性高気圧と低気圧が交互に日本付近を通り、「春に3日の晴れなし」と言われるように短い周期で天気が変わります。 
 この頃に、日本付近で急激に発達する低気圧は「メイストーム(5月のあらし)」とも呼ばれ、低気圧の通過に伴って山の天気は急変します。

 図は、平成15年4月30日の9時の天気図です。北日本に発達中の低気圧があります。
この低気圧の中心から南西にのびる寒冷前線が本州を通過中で、寒冷前線の通過時には、日本各地で突風や急激な気温低下等が観測されました。(図の右下は、4月30日の長野県菅平の気温変化です。9時から4時間で約7度気温が低下しました) 
 このような低気圧や寒冷前線の通過に伴って、次のような現象が現れることがあります。 
●寒冷前線の通過前は、南よりの風が強まり、気温が上がるので、積雪の多い山地では全層なだれ(底なだれ)が発生しやすくなります。 
 ●寒冷前線の通過後は、風向が急変し、気温も急速 に下降します。場合によっては、強風、もぞれや雪で急速に体温が奪われたり、濃霧や雪で視界がきかないなど真冬と同様の天候になることがあります。
 
春の行楽期における山岳遭難事故発生概要