| GPSを用いた登山者へ「厳重注意」のお知らせ | |
| 日本山岳協会 遭難対策委員会 | |
1.経度・緯度の基準が変わった GPS(Global Positioning System)は、米国国防総省で開発され、非常に手軽に現在位置が高精度で得られること、また、カーナビに採用されたことなどにより、様々な領域で急速に利用されるようになってきました。 登山においても、かつては、一部の専門家の問でのみ利用されてきたが、販売価格が1万円台となり、急速に一般ハイカーに利用されるようになってきています。 ところが、国土地理院において、測量法が改正され、経緯度の基準は今まで使用してきた「日本測地系」より世界標準「世界測地系」に変わりました。 この影響は大きく、GPSか地形図の使用法を誤ると、道迷い事故の原因となる危険性が出てきています。 そのズレの程度は、日本測地系で表してきた地点を世界測地系で表すと、東京付近の緯度で約プラス12秒、経度で約マイナス12秒となっています。 これを距離に換算すると450mにも達し、その上、このズレ量は、全国一律ではなく、場所により異なっています。 2.どの様な場合にズレるのか 登山者にとって、このズレは、GPSと使用する地形図との新・旧測地系の組み合わせによって、違いが発生します。 そのズレ量は約400m〜約450m程度と理解してください。 3.GPSでの測地系.設定について GPSでは、測地系を初期設定する箇所で、世界測地系と日本測地系を選んで下さい。 ただし、「世界測地系と日本測地系」の表示をとらずに、世界測地系は「WGS-84」と表示され、日本測地系は「トウキョウ」と表示されている場合があります。 4.地図に用いられている測地系について 国土地理院発行の地形図には、平成12年度版より右下隅の縮尺・スケール表示の上に「茶色の経緯度数値は世界測地系による」と書かれて、地図枠には世界測地系と日本測地系との2形式併記型で表示がなされています。 したがって、GPSを利用するために、1分おきに緯度経度線を描く場合、かなり注意しないと測地系を見誤る可能性があります。 また、大きな書店での地形図売り場には、同一地点でも異なる表示法の地形図を混在させて販売しているため、気をつけて下さい。 一方、地図会社発行の登山地図でも、世界測地系に変更しているものと、日本測地系のまま表示されているものがあります。 世界測地系を使用している場合は、その旨断り書きがあるので必ず確かめて下さい。 地形図において、測地系の表示が完全に世界測地系だけになるのが、3年後と一言われています。 地形図とGPSの新旧測地系の組み合わせによる混乱は数年続いていくものと予想されます。 当面の問、利用する地図に応じてGPSの測地系を変更する習憤をつけてください。 5.発生が予想される事故 一般に、登山者が、山行中GPSを使用するのは分かれ道などにさしかかった時だけの限定使用の場合が多く、大幅なズレが発生していることに気づかないケースが多いと考えられます。 一方、数年前GPSを購入した登山者で測地系変更を知らない方も非常に多く見られます。 したがって、このような登山者がGPSに頼りきった歩き方をしている場合、間違いなく道迷い事故を起こしてしまう危険性があります。 道迷い遭難は、その言葉の持つ柔らかい響きとは裏腹に、ベテラン登山家を狂わしてしまうほど恐ろしい事故です。 もし、GPSお持っている仲問をご存じでしたら、測地系の変更の話題を持ちかけ、注意を喚起してください。 6.さらに詳しい情報を知りたい場合 国土地理院の地形図における新旧測地系の違いをンターネットで調べる場合は下記のアドレスをご覧下さい。 国土地理院 http://www.gsi.go.jp/ ・GPSで地形図上の位置を確認するときの注意 ・地図と国土の情報(世界測地系緯度・経度対照表) |
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