都岳連自然保護活動報告(2003.4〜6) 
森林再生プロジェクト実地学習      (2003.6.14)

  梅雨空の半日、委員有志による標記実習があきる野市の民有林で行われた。地元の天野委員の紹介で「樵の名人」岩崎氏の指導で、下草刈り・間伐・倒した木の枝打ちを体験した。
岩崎さんが事前に「長短の鎌、鋸、鉈」を手入れして準備をしてくださり、作業の大変さと共に道具の手入れの重要なことも勉強した。
 
  林業は大変な肉体労働で大汗をかいたが、森林がみるみる明るくなって、そのうちに小鳥−コゲラ−が沢山寄ってくるなど楽しさも味わった。 3時間弱に実習のあと、昼食を取りながら地元林業家の「現状と自然林復活」の熱い思いも伺が って、短い時間ながら充実した気持ちで帰路についた。
 ※「当日は既に作業を実践されている山渓の久保田氏が飛入り参加、一緒に交流を深めました。 

セッコクの花咲く高尾山清掃山行      (2003.6.8)

  環境月間の恒例行事として定着した6月8日標記行事は、梅雨入り直前の晴天に恵まれ、参加者の皆さんには「自然に親しみつつ、都民の山を護る」楽しさを味わって項いた。

  当日は一般参加55名、委員会関係者15名で京王高尾山口駅から三コースに別れて、沿道のゴミを拾いながら高尾山頂を目指した。 途中、休憩時間を利用しての「山の歩き方・山岳写真・山の気象」入門講座も開催、ボランティ アをして知識も身につくという、自然保護委員会の行事を実感してもらい、山頂で参加者全員に「感謝状が藤井委員長から贈呈」され、解散となった。

  三々五々昼食、希望者はここから6号路をスタッフと共に下り、満開のセッコク(野生の蘭デンドロビュームの一種)を楽しんだ。今年は花も多く、 薄いビンクの色も鮮やかであった。 昨日の夕立で水量が多い沢は、幾つもの滝で音を響かせていたが、圏央道のボーリング調査が始まっており、水脈断絶ひいては花や自然への影響 を心配しつつ下山した。 

春の自然観察会      (2003.5.8)

   五月晴れの五日市小峰公園周遊コースを一周する、自然観察と野草を試食する委員会行事に多くの都民が集いました。五日市駅前で三班にわかれ、それぞれに講師・スタッフがついて新緑の中「樹木、山野草」の観察と講師からの解説を受けなが らハイキングを楽しむ。 コースの中程で大休憩、追いついてこられた「山岳救助隊」の警察官からその時間を利用して、奥多摩での山岳遭難の事例や注意事項の説明をいただく。   

 コース最後の重文「広徳寺」では五日市町の形成と文化の話を聞いて、秋川河畔−ヤマボウシ−に到着。最後は皆さんお待ちかねの野草料理、建物内にはテンプラスタッフが準備万端、参加者の前に次々と野草の天麩羅が並べられる。ヨモギ、タンポポ、ユキノシタ、ハナイカダ等に加えて野菜化したがウド、タラノメ、ノラボウ等に加えて山菜味噌汁を皆さん舌鼓をうって、遅い昼食の宴を楽しんだ。 

「自然水とし尿の調査研究」報告書発刊

  2003年3月発刊。とうきゅう浄化財団より3年間助成金交付を受け、自然保護委員会を中心に、都岳連の多くの皆様にもお手伝いをいただきました調査研究の成果が下記主題でこの度発刊されま した。
『多摩川の源流に位置する奥多摩御前山における自然水とし尿の調査研究』 B5版51頁。

 調査研究のデータを主体に、調査風景などの写真を挿入、調査を始めた理由から調査結果の判定までを編纂した調査研究報告書です。 毎月調査に入り、山岳における入山者による水 質汚染の実態と、並行して実施してきた、し尿持ち帰り運動は各地で大きな反響を呼びました。

 調査時お手伝下さった多くの方達に対し、紙上をお惜 りしてお礼申し上げます。また、水質調査は火付け役になり、その後全国的に水源における水質調 査が行われるようになりました。 発刊物は、ご協力いただきました方々にはお贈 りいたしましたが、若干余分がありますのでこの種の調査研究にご興味のある方にはお分けできま す。
(一冊500円)自然保護委員会(椎名:3336- 4109(Te1/Fax))までご連絡下さい。

平成15年度御前山水質調査始まる 

 「御前山水質調査」は、とうきゅう財団の認定を受けて始まったが、2001年3月、三年間の支援 期問が終了しました。しかし、継続調査の重要性と「調査活動が全国の岳連に波及して広がってきている」原点としての位置づけもあり、委員会で は引き続き独自活動として継続してきております。

  調査は「2003年3月〜12月の10ヶ月間、調査点 はニコース・7ポイント」で、多くの皆様のボランティア活動に支えられて始めて成功する活動で す。一方、活動に参加することによって、水質調査技術を身に付けることができます。ご協力頂ける方は、自然保護委員会・小高(0493-23-3472) までFAXでご連絡をお願いします。 

 なお2002年度の水質調査の結果は、6月にはまとめるべく現在分析・解析中です。報告書をご希望の方は、自然保護委員会・小高までどうぞ。

「御前山カタクリパトロール&さわやかトイレ持ち帰り運動」を実施

  今年もカタクリの群生地として知られる奥多摩御前山にて、自然保護委員会による「カタクリパ トロール」が実施されました(今年で7回目にな ります)。 花を結ぶまで7年をも要するというカタクリを心ない盗掘から守り、より多くの可憐な花が咲く ように保護柵を設置し、また安全登山や山のモラ ルの啓もうを目指して毎年この時期この山域で活動してきました。

今年は、記録的な寒さや里山にもかなりの積雪があったにもかかわらず2月が思いの外暖かったため、カタクリの開花予想も一部には早いとの報道もありました。このためパトロール期間を例年同様4月第2土曜日(12日)から第3日曜日(20 日)までに設定しましたが、3月の寒の戻りでこ こ数年来で最も遅い開花となりました。そこでさ らに1週間延長し、27日までの16日問の実施とな りました。

  また私たちは、美しい山と清らかな水源を次の 世代に引き渡すために「山にし尿を垂れ流さない」 ことを究極の目標に掲げ、長年放置され続けてき た山のトイレ問題にも取り組んでいます。この運動は徐々に全国的な広がりを見せました。1998年 6月に甲府で開かれた「第一回全国山岳トイレシンポジウム」での『山梨アピール』、2000年の日本山岳協会全国自然保護総会の『大会アピール』に続き、2001年7月に開催された「山岳トイレシンポジウム in 松本」での『宣言』等に結実しました。

 その宣言には、「入山者は、排泄者責任を自覚し、山岳環境や山小屋でのトイレマナーを守り、 山で使ったぺ一パーは必ず持ち帰る。また、チップなど経済的負担にも協力する」ことが盛り込ま れております。2002年「国際山岳年」の各種活動はその成果を反映したものとなりました。 
 しかし、山のトイレを巡る問題はその厳しい自然環境、高度な処理技術、コスト負担に加え登山者の意識改革等解決すべき課題のハードルがまだまだ高いと言えます。 そこで私たちは、カタクリの保護と並行して、バスツアーをはじめ多い日には2,OOO名以上の入山者のある(今年は4月13日、26日、27日に記録されました)4月の御前山の頂で、沢水汚染の現状を訴えました。

 具体的には、「山では水に分解 されにくいティッシュペーパーは使わず、トイレットペーパーを使うこと』や『簡易トイレパック の利用』を広く登山者にアピールするため、仮設 トイレを設置して入山者に簡易トイレパックを体験して頂いたり、沢水に関するアンケート(今回 も1,300枚以上の回答があり、今分析を進めています)をお願いするなどの活動を行ってきました。 

 このようなパトロール諸活動に、今年も自然保護指導員をはじめ延べ120名の方がボランティア として参加して下さいました。ここに心より御礼を申し上げます。 さらに今年、私たちの活動にご理解頂いた潟 ンベル様より、山の美化を考慮した「ケースも水に溶ける」テッシュペーパーのご協賛を頂き、ア ンケートにお答え頂いた方への御礼に利用させて頂きました。活動の成果の一つかと自負しており ます。 これまでの活動には不備な点も多々ありますが、 その反省を来年以降に活かし、今後も「カタクリ パトロール」を続けていきたいと考えています。 加盟団体各位の更なるご協力をお願いする次第 です。

国際山岳自然環境集会2003報告      (2003.4.12)

   国際山岳自然環境集会が2003年4月12日東京・ 四谷の雙葉学園同窓会館で、国際山岳自然環境連絡会(日本山岳協会、日本山岳会、日本勤労者山岳連盟、日本ヒマラヤ協会、日本ヒマラヤン・ア ドベンチャー・トラスト(HAT-J)、東京都山岳連盟、日本トイレ協会7団体)主催と環境省、 アジア山岳連盟後援により開催された。

  外国よりの参加は国際山岳連盟(UIAA)1名と韓国代表2名、台湾代表3名の参加があった。 会場は午前中は第一部、午後より第二部と開かれた。 第一部は、日本山岳協会会長の田中文男氏の挨拶があり、司会進行は野田氏(HAT-J)によ り、第一部は「アジアにおける山岳団体の自然環境活動」をテーマに円卓会議方式で始められた。 

 基調トークとして大蔵喜福氏(日本山岳会)が 「日本の山の特徴と自然保護活動」について話された。 報告として韓国代表・権氏(韓国国立公園管理公団環境保全所長)が韓国の国立公園の現状と政策の報告、台湾代表・WuChih-Cheng氏(中華台北山岳会)が台湾の山と自然環境をスライドを使って報告があった。また国際山岳連盟(UIAA)のユルク・マイヤー氏(スイス山岳会自然保護委員長)がスライドを使いながら国際山岳年への各国の活動を報告された。

  各国とも共通して訴えている事は、多くなった登山者やハイカーに依る環境破壊とゴミの処理 問題が今後のテーマだとしていた。 討論(パネルディスカッション)に入り東京都山岳連盟自然保護委員会を代表として青木が参加して、御前山のカタクリ・パトロールや清掃山行・自然観察会などには、マスコミを使って一般に参加者を募って大勢の人々に自然環境啓もうを実施している事を報告した。 (パネリストとして各国代表の他に、江川節雄氏(JWAF)青木(TMA)本木總子氏(HAT-J)大蔵喜福(JAC)が参加)

  第二部は、100名近くの参加者があり、公開シンポジウムとして「山岳団体は自然保護にどう取り組むか」を討論する。 本木總子氏を司会進行で討論に入る前に 
・西本武志氏(日本勤労者山岳連盟理事長)の開会挨拶
・田部井淳子氏(HAT-J)のゲストスピーチ
・ユルク・マイヤー氏(UIAA)の「日本及びアジアの山岳団体への自然環境活動についての提案」に関しての講演があった。 

  主催7団体の代表が「わが会の自然環境活動の取り組み」について報告した。東京都山岳連盟自然保護委員会は岡田氏が、御前山カタクリ・パトロール、水質調査、自然観察会を更に発展させる活動にしたいと報告があった。 その他、都岳連自然保護委員会よりスタッフとして、受付を小島さん、会場設定に廣田さん、 英語通訳に渡辺さんの活躍がありました。  


(自然保護委員会)