トレイルランでの野外レスキューを学ぶ(ハセツネ安全走行講習会)

5月に第2回目となる「ハセツネ安全走行講習会」を実施いたしました。

私たちはトレイルランナーに、ぜひ身につけて頂きたい技術として「読図」と「ファーストエイド」を掲げています。

ロープの3つの結び方を覚えました

今回は次回のフィールド講習に備え「読図基礎講習」を公益社団法人日本オリエンテーリング協会)・ナヴィゲーションインストラクターの長柄委員が行いました。これは現在国内で登山者を対象として体系的に読図を教える講習としては、最先端の講義内容であったと言えましょう。

そしてファーストエイドでも役に立つであろう「ロープワーク」と「搬送法」については、大会救護部長である川瀬氏が担当。

ヒューマンチェーンによる搬送実践

遭難対策スキルも豊富な川瀬氏の講義は毎年好評です。ロープワーク、搬送法ともに見本を示し、その後講習生に実践してもらう形で講義を進めました。ハセツネCUPでの救護部責任者である彼の講習は、大会でのマーシャルを担う講習生にとっても頼もしく映ったことでしょう。

「テーピング」と「三角巾」の使い方も学びます。トレイルランニングで多い足首捻挫に対応するテーピング法をはじめ様々な三角巾の使い方についても講習生と一緒に進める形で指導しました。会場内の他のスタッフ達は手順に戸惑う講習生にアシストする形で丁寧にサポートさせていただいています。

捻挫などの場合に足首を固定するテーピング法を指導する

ウィルダネスメディカルアソシエイツジャパン(WMA)様をお招きし、トレイルで倒れている人に遭遇した場合や低体温症に対する対処など、ウェイルダネス状況下(医療体系への引き継ぎや必要な処置を受けるまで に長時間を要する状況)における対応力強化を目的としています。

実際に山道で人が倒れていたらどうしますか?要救者の状況確認を行う参加者たち

より実際の状況に近い形で行われる講義に消防署や赤十字でCPR(心肺蘇生)等の救命講習を修了しているだけでは知ることのできない、その場の状況に応じて(確認して)、的確な判断ができる力が身につく実践的な講習を行います。野外での救命法を知ることで今までの考え方を大きく変えられた講習生も多かったと思います。更に知識や経験を積んで市街地では勿論、山岳でのファーストエイドが必要な場面に遭遇した時は積極的にリーダーシップを発揮してくれることを期待しています。

次回からは、いよいよフィールドに出ての講習になります。

 安全走行講習会実行委員長 坂上明子