冬場のトレイルランニングを楽しむ7つのヒント

これから訪れる本格的なウィンターシーズン。冬のトレイルランニングは夏場とは違う準備や装備が必要になります。なお初めての方は必ず経験者と行動するようにしましょう。

ここでは冬場のトレイルランニングを安全に楽しむ為の7つのヒントを皆さんにお教えします。

雪が降った後は凍結や泥などによりトレイルのコンディションは見た目以上に悪い

ヒント1:冬は日照時間がとても短い

夏と違い午後の早い時間には、山の中は暗くなっていきます。コンパクトで明るい(200lm以上を推奨)ヘッドランプと予備の電池又はライトを用意します。低温環境下では通常より電池の持ちはとても悪くなります。

スマートフォンの電池も早く消耗しますので、スマホをライト代わりにしたりせず、念のためモバイルバッテリーを持った方が良いぐらいです。

午後になり陽が傾くと急激に低温環境の厳しさが増します。ライトはあくまでも緊急用です。遅くとも15時までには下山を終えているようにしましょう。

ヒント2:重ね着で体温調整する

山でのウェア選びの基本は重ね着ができるものを用意することです。これは温かさを求めるだけでなく、激しい運動を伴うトレイルランニングでは温度調整の容易さ大事も大切だからです。基本は3種類の重ね着です。ランニング中や休憩中なども適宜脱いだり着たりすることで体温調節をおこないます。

  • ベースレイヤー:肌に直接触れるウェア。身体から汗やムレの湿気を逃す大切な役目。汗冷えを防ぐためにも吸汗速乾性のものを選んでください。
  • ミッドレイヤー:フリースに代表されるウェア。外気を遮断し空気層を設け保温を目的としたもの。年々多様化しておりソフトシェル、ダウンや化繊中綿を選ぶ場合もある。
  • シェルレイヤー:外気を遮断し冷たい風や雨や雪から身体を守る。防水透湿素材のレインウエアを使用する。
ビーニー、透湿素材のソフトシェルとロングタイツを着用してのトレイルランニング

ヒント3:頭や首を保温する

ニットキャップを被れば保温性が格段に高まります。冷たい風から耳を守るだけでも効果的です。首元はネックゲーターを使って調整するのがとても有効です。

ヒント4:手袋を着用する

薄手のランニング用手袋を着用しつつ、予備として保温性の高い手袋を携帯しましょう。これがあれば指先が痛くなるような天候に見舞われても、手袋が濡れてしまっても役に立ちます。

濡れたままの手袋をはめていると指先の温度を更に奪い、最悪は凍傷になることもあります。

ヒント5:足元は雪と氷に対応できるように

冬に履くトレイルランニングシューズは靴底のブロックの凹凸が大きいグリップの良いタイプを選ぶと効果的です。または靴底に装着するストラップタイプのスパイク類はグリップを格段に高めてくれます。ポール(ストック)を併用するのも足元の安定しない冬場に使えば安定性が高まります。また寒さや濡れで足指の感覚がなくなることも。厚手のソックスや替えのソックスを用意しましょう。

ヒント6:走るエリアの情報収集には念を入れる

この時期は標高が1,000mを超える山は積雪や気温が低いなどのリスクが非常に高くなりますのでお勧めできません。当日の降雪がなくても日当たりの悪い場所に積雪が残っていたり凍結箇所などがあれば危険が高くなります。インターネットや山小屋などから路面状況を事前に調べておきましょう。なお積雪が足首以上の15センチ以上ある場所はランニングに適しません。このようなことが事前に解っている場合は行き先や計画の変更をしましょう。

必ず経験者に帯同してもらい、初心者がいきなり冬山に単独で行くことは避けるべきです。

事前に登山計画をたて行動を入念にシミュレーションしてください。天候の急変などの不測の事態に備え緊急下山ルートを複数決めておいてください。もちろん地図、コンパス、ファーストエイドキットは必携です。登山計画の事前提出はもちろん、家族や身の回りの人に計画を知らせることも忘れずに行いましょう。

降雪直後ではトレイルを見失うリスクが高くなります

ヒント7:冬山を軽視しない

冬山のトレイルランニングをおこなうことは、あなたに新しい体験と景色を見せてくれることでしょう。夏よりも冬のトレイルランは環境が厳しく難易度も高くなります。場合によっては落ち葉や雪でコースが覆われて見えなくなる部分もあり視界も悪くなることもあります。より安全に楽しむためにも冬山を軽視することなく慎重に計画と行動をし冬のトレイルランニングを楽しみましょう。