ハセツネ安全走行講習会が開講

今年で12年目となる「ハセツネ安全走行講習会」が去る4月21日無事開講されました。

4月から9月まで全6回のこの講習、年々人気が高まり今年も定員を大幅に上回る応募があり書類選考を経て、45名を12期講習生として迎えることができました。 

山の知識、技術、安全等の学びながら、トレイルランニングの普及と安全登山の徹底及び自然保護マナー啓発していく指導者の養成を目指しています。本講習はトレランの走力向上だけのための講習ではありません。また日本山岳耐久レース(24時間以内)~長谷川恒男cup(以下、大会という)に選手マーシャルとして出場するための育成も本講習の目的としています。 

大会は、日本最高峰のトレイルランニングレースと言われるだけに非常に人気が高い大会です。 

その人気の大会に「選手マーシャルとして出場する!」という責任を感じながら参加できることが当講習会の魅力のひとつとなっています。

選手マーシャルについて学ぶ

私の所属する一般財団法人日本山岳スポーツ協会では毎年約40名の新人教育を実施しています。その教育機関でもある安全走行講習会を過去に修了した生徒数は延べ350人以上になります。 

トレイルランニングを楽しむ方だけでなく、ロードマラソンの経験あるが山の経験はほぼないという人から、既にトレイルのロングレースや海外の登山を経験している人、高校時代から山岳部所属だが、体力・走力に不安のある方……etc. 

このように様々な経験値の異なる受講生の皆さんに参加していただくことは、グループ活動を通じての作業分担や協業作業をおこないながら「他者への配慮」「個性の尊重」を意識付けし、山の中で起こるトラブルやアクシデント等への対応力を高めていってもらおうという狙いもあります。 

6ヵ月の限られた期間での講習にも関わらず、毎年中身の濃い実習となり、とりわけ同期の仲間とは「苦楽を共にした仲間」としてその後もずっと交流が続いていおり、それは体育会の部活のイメージです。 

奥宮講師によるハセツネ完走テクニックを伝授

行動を共にする → 同じ価値観を共有する → 信頼関係が生まれる 

講習生それぞれの個性は大切にしつつ、安全に関する価値観(意識)は是非とも講師(スタッフ)と共有していただきたいと強く願っています。 

そして、トレイルランナーが従来の登山スタイルで山を親しむ方々に快く受け入れていただけるように、「マナーの啓発」にも力を入れています。

ツェルト指導を食い入るように見る講習生達

以下が第1回安全走行講習会でおこなわれた内容です。

日時:4月21日(日)

場所:iciclub神田6Fアースプラザ

講習内容

開講式・オリエンテーション

講義「山の基礎知識・マナー」と「リーダーの役割」

講義「登山計画」

講義「競技規則と審判」

講義「ハセツネ完走対策」 【特別講師:奥宮俊祐氏(FunTrails代表)】

講義「山の気象」と「山岳リスク」

講義「事故事例及びセーフティギア紹介」

講義をおこなう坂上実行委員長

講義は、出来るだけ平易な言葉(山岳気象→山の天気など)に置き換え、難しく感じないように工夫。天気図の読み方だけでなく、スマホ対応の「お天気アプリ」などの紹介を取り入れるなど最近のトレンドを盛り込んでいます。 

セーフティギア紹介では、ツエルトを会場で設営し、エマージェンシーブランケット、スリング、カラビナ、ストック等の実物を紹介。 

9月までの全6回の講習修了までスタッフ一同サポートを惜しみませんので一緒に頑張っていきましょう。

今後は講習毎に毎月レポートを掲載する予定です。

安全走行講習会実行委員長 坂上明子