2005年度第3号

都岳連の現状につて

副会長 松元 邦夫

 あけましておめでとうございます。昨年は 関東ブロック大会や耐久レース及び各委員会の各種事業にご協力下さり感謝申し上げます。 本年も昨年に引き続きご協力の程よろしくお願いいたします。

1991年の3月、湯檜曽の永楽荘で多くの大都岳連構想を打ち出し、今年で15年目になりました。独立した事務所を持つ(以前は日山協に間借り)事から始まり、個人登録制度(後記)、都岳連遭難共済などの大きな事業も一通り完成し、残りの大きな事業として、①社団法人化、②登山学校、③山岳会館(山岳研修所)設立の3つとなりました。

すでに①の法人化は、設立準備室を発足さ せ、毎月都庁に出向き、法人になるためのご指導を仰いでおります。例えば耐久レース・ 都岳連遭難共済・個人会員制度等などを、それぞれの係りの長がおもむき説明をしております。私も事業部がおこなっている登山教室について説明に参りました。法人設立準備室からは今年中に目鼻がつくと報告を受けております。

②の登山学校も、今スポーツ指導者連絡会が、岳連共通の指導要綱を作成しています。 これが完成すれば、スポ連が各委員会を取りまとめ登山学校も開校出来るはずです。 私案ですが、月1回の実技山行及び机上講習を3年間位学び、卒業と同時に指導員の資格をも与える。考え方によっては、指導員養成学校と言っても良いでしょう。
③の山岳会館(山岳研修所)この事業は一 番厄介な事業であり、場所・建物・費用・利用度・管理などを考慮しなくてはなりません。 氷雪・岩場・沢登りの実技講習などを行う事が出来、机上講習と宿泊及び交通の便の良い所(例えば谷川岳土合周辺)となると、東京都の中にはなかなかこのような条件にあった場所はありません。現状と同じく、事業によ って机上講習の場所は借用したほうが良いで しょう。無理して都岳連で山岳会館(山岳研修所)を持って後々負担になるようでは困ります。一つくらいは、永遠の夢として残しても良いと思います。

さてこの15年の事業を振り返ってみますと、 一番時間と決断が要った事業は、都岳連共済でした。10年前に遭難対策委員会と救助隊が 都岳連共済を打ち出し、各方面から大批判の声が上がりましたが、3年前にご存知のように、保険会社依存から独自運営に切り替えました。資金不足で1年目は遭難事故がおきないように祈る日々でした。おかげ様で休日前になると「山の事故がなくなりますように」 と祈る習慣がついてしまいました。共済委員会や遭難対策委員会の加入努力のお陰で、今や加入者約5,300人も超えるまでに成長しました。

また、個人登録制度もいつのまにか方向が違い、個人会員制度となり当初の構想からけ離れてしまいました。それはそれでかまい ませんが、当初の構想も大事にしなくてはな りません。
個人登録制度とは、事故防止のために個人で直接岳連に加盟できる未組織登山者と、加盟団体員を岳連で直接把握し、岳連通信と山岳の情報及び岳連の意向をダイレク トに個人登録者に伝え、都岳連共済も自動引き落としをする制度です。未組織登山者の方が早く登録が進み、何時の間にか個人登録制度が、個人会員制度に変わってしまいました。

そのために、現在は岳連の中には、加盟団体員(または加盟団体)と個人会員の二通りの会員が存在してしまいました。今はそのままでもかまいませんが、法人になれば、当然二通りの会員は認められません(平等の権利 のこと、東京都の意向)。その為に正会員(議決権を持つ)と準会員(呼称は個人会員と言う。議決権を持たない)に分けるしかありません(法人設立準備室作成の都岳連定款案より)。

加盟団体員も個人会員も都岳連の会員です。私はこのままの状態で正会員と準会員(議決権のない)に分けることは好ましくないと思っております。個人会員にも議決権も与え、 義務(会費など)だけでなく権利も与えなく てはいけないと思います。その為に個人会員小委員会を廃止し、会員委員会を設立し、一つの会員(以下加盟団体員と個人会員を言う)としたいのです。

ただ、個人会員全員に議決権を与えるわけにはいきません。加盟団体員約30,000人で議決権は約280です。個人会員(現在700人として)にはせいぜい3~4票くらいだと思います。

では個人会員の3 ~4票の議決権を、誰に与えるかという問題が出てきます。個人会員全員で知らない会員の選挙という訳にはいきません。また、都岳連を知らない会員に与えられても困ります。 当座は会員委員会に所属している個人会員の方に、議決権を与えるしかありません。(最良の方法があったらご意見を下さい)

一方会員は岳連の情報を知る権利も持っております。今岳連の正式な情報誌は「都岳連通信」です。この「都岳連通信」は加盟団体には配布されてますが、昨期までは個人会員には、個人会員専用の「個人会員のぺ一ジ」 が配布され、それには岳連の正式な情報は載せられておりませんでした。

この「個人会員 のぺ一ジ」は旧個人会員小委員会で編集・発行されておりました。その為に岳連の情報を 旧個人会員の皆様にお知らせすることができなかったのです。私はすべての会員に、岳連の情報は平等に伝えなくてはいけないと考えております。今期からは「個人会員のぺ一ジ」 を廃刊し、「都岳連通信」一本に統一して、すべての会員に、岳連の情報を知らしめさせるようにしました。また今号からは理事会の 協議事項・決議事項も「都岳連通信」に記載 してもらいました。

と言うようなことで、会員委員会を活発に活動させたいと思います会員の方々会員委員会で働いてみませんか、特に個人会員の方 のご協力を歓迎します (会員委員会は2月から第3週の水曜日に岳連の会議室で開催していますので、意欲のある方ぜひご参加ください)