2008年度第1号

60周年記念に寄せて

社団法人東京都山岳連盟
会長 森谷 重二朗

 都岳連正会員、個人会員、加盟団体会員および協賛企業の皆様には、日頃、都岳連活動に対し限りないご支援とご理解をいただき、心よりお礼申し上げます。お蔭様で都岳連は社団法人格を取得して以来、第3期目に入ることができました。
そして、今年はなによりも、都岳連の前身「東京山岳連盟」発足以来60年の節目を迎えることとなりました。平成11年1月に刊行いたしました「50年の軌跡 1948年~1998年」を紐解きますと、それまでの先人・先輩諸氏のご活躍が縷々語られており、そのご苦労のほどが偲ばれます。その後の、 1999~2008年の10年間が一瞬のごとく過ぎ、今日、60周年となりました。その間、山岳の世界も大きく様変わりし、登山の形態、山岳競技、登山者の志向、自然環境、行政の取組み方、関係業界の構成、情報環境など大きく変化してきています。そして、それらに対応し都岳連も徐々に変容することが求められています。いわば、時代の変遷による進化の必然とも言えることでしょうか。
そこで、この60周年の節目を好機として、われわれ都岳連は次の10年の将来をイメージし中長期目標を立案して、その達成に邁進しようと心に期しております。

基本的目標といたしましては、
1、 加盟団体の皆様のニーズを把握し、会員メリットの向上させる
2、 都岳連事業の効率化と情報化をはかる
3、 遭難対策、救助隊体制の強化と整備をおこなう
4、 加盟団体、個人会員の増加をはかり、組織強化をする
5、 加盟団体の集うサロン、ルームを開設する
6、 登山研修所を開設する
7、 以上の実現のため財務体質を強化する
等です。
また60周年記念事業として、現在、企画・組織部をコアとし理事会・各委員会の連携コーディネーションにより企画立案中ですが、事業等の一部は記念事業として発表し参加者を募り始めております。加盟団体会員の皆様・個人会員の皆様のご参加をお願い申し上げます。
都岳連の将来をイメージし、それに到達しようとすることは、さながら未踏峰の頂に上ることに似ています。まだ見ぬ絶顛を思い浮かべながらルートを拓き、ロープや梯子を架け、アドバンスを設けながらジリジリと登って行く。そんな昔ながらの遠征隊の光景が目に浮かびます(私の歳が知れます)。登頂には、アタッカーだけでなくサポーターや最新鋭機器による気象通報や機材、ドクターのバックアップも必須です。プリズムサポートも心強い支援です。大勢の方のご協力、ご支持、ご理解が登頂を実現させます。
拙いたとえで恐縮ですが、都岳連の次の10年の目標達成の道程を登頂に重ねてみました。今後の都岳連事業への加盟団体会員、個人会員の皆様のご参加を心からお願い申し上げ、
あわせて、皆様の今後の山行のご成功と安全を心よりお祈り申し上げます。