2022年新型コロナ感染症の今後と都岳連の活動について

2022年新型コロナ感染症の今後と都岳連の活動について
                                       顧問ドクター 沖陽輔
                                副会長兼専務理事 廣川健太郎
 年頭にあたり、新型コロナ感染症の今後に関して想定されること、これを踏まえた都岳連の取組みについてまとめました。

1,当面の見通し~オミクロン株を中心とした感染拡大 
・年末年始の人流増加の影響で2022年はオミクロン株を中心に感染が拡大していき、2月にピークを迎えるのではないかという予測もなされている。
 
2,オミクロン株の評価 
・今後感染の中心となる見込みのオミクロン株であるが感染力は強いが重症化はしにくいとされている(=持病などがない場合)。
 *一般的には肺炎まで至りにくい
 *例外としては、糖尿病などの持病がある場合や重篤な疾患がある場合など重症化することが考えられる
 ・新型コロナウィルス感染症は感染症2類とされているが、オミクロン株などが主流になっていくと今後見直される可能性があると考えられる。
 
3、ワクチン接種の継続と治療薬の登場の効果が期待されること 
(1)ワクチン接種の効果
・3回目接種による抗体価上昇による感染予防と重症化の防止が期待される。
*ワクチンの3回接種は医療従事者及び高齢者から開始、当初は2回目接種から8カ月経過を条件としていたものが現在では6カ月など短縮の動きとなっている。 
(2)治療薬の登場による重症化防止
・モルヌピラビル(メルク社製造)など治療薬開発承認と使用が進むことによっても発
症時の治療効果があがり、重症化防止が進むと見込まれる。
*日本ではまず12月24日にメルク社開発のモルヌピラビルが承認され、治療に使われ始めている
⇒モルヌピラビルの効能はウィルスの複製を防ぎ、治療効果をあらわす。
⇒ほかにも治療薬の開発が進んでいる。
   
4,警戒継続が必要=既存株が併存、変異株の通例と例外への理解
(1)既存株の存在
・いまだデルタ株など、旧来のウィルスも併存していること。
(2)変異株への理解
・ウィルスは通常、変異により感染力を増しつつも弱毒化していくのが通例であるが強毒化する怖れも排除できないこと。
 *2項の通り、オミクロン株はデルタ株よりも弱毒化したものの、感染力は強い。
 *過去の感染症で見ると一般的には変異が続くと弱毒化していっている。 
  例外的に2010年代強毒化したインフルエンザが現れた例があるが、強毒化すると宿主(感染者)のダメージが大きく、強毒化したウィルス自体が増殖できない。

5,当面はしっかり感染症予防対策を継続して行なうことが必須 
(1)感染対策の継続
・今後の推移は定かでないため、感染症対策をしっかりと継続していく。 
 *マスク着用、手洗い・うがいの励行、三密回避の原則行動は当面継続が必須。
原則を継続・徹底しつつ、都岳連事業は実施の方向で取り組んでいく。
(2)状況が悪化した場合の対応
・感染者数拡大、重症者数の増加、医療体制のひっ迫などにより、緊急事態宣言が再び発出されるような状況となった場合には、これまでの対処方針をベースとして事業の中止あるいは参加条件の制限(ワクチン接種者、陰性証明を条件とする)など必要な措置を行なう。

 6,希望として=想定される最終的な姿 
①  ワクチン接種率・回数増による抗体価上昇及び感染による抗体獲得で集団免疫が確保されていくと想定されること
②  治療薬の開発により効果果的な治療法が確立されていくと想定されること
③  ウィルスは傾向として弱毒化していくと想定されること
 以上のような想定を踏まえれば新型コロナウィルスによる感染症は次第に大きな脅威ではなくなっていく可能性が高いことが想定される。
 

7,感染症への警戒と教訓を生かしていくこと 

新型コロナウィルス感染症で経験したことを踏まえれば、今後とも新たな感染症などの脅威を意識し、警戒していくことが必要である。

 社会としては、例えば対応に失敗した事例=客船で感染が出た場合にどうすべきだったか、他にも大規模にクラスターを発生させてしまった事例と防止が徹底された事例の違いの検証など、新たな感染症が発生した場合にはこれまでの教訓を生かしていく必要がある。

 

登山やクライミングを愛好するものの集まりとしては、新型コロナウィルス感染症が大きな脅威でなくなっていくことを希望として、想定しつつも、取るべき感染症対策を当面しっかり継続したい。

そしてそうした中でも特にリスクの高い行動=大人数でのテント泊、換気の悪い密な行動など、リスクの高い行動はなにかをそれぞれが考え、いましばらくは控え、感染症を収束させていくことを提唱したい。

 

                                   以上