山岳遭難者をドローンで捜索

救助隊は、jROと共同で「ドローンによる山岳遭難捜索技術開発報告書」(A4判、23ページ)をこのほど発表しました。

近年急速に普及してきたドローン(マルチコプター)を活用して、行方不明になった山岳遭難者を空中からのドローン搭載カメラでいち早く発見し、救出につなげようとする技術の開発です。さらには転落・滑落して負傷した登山者の発見、あるいは冬山での雪崩遭難の現場捜索にも活用できる新しい捜索方法です。

最近、第3の登山ブームといわれ、登山者の増加が著しい。その結果、山岳遭難も増加の一途をたどっています。

これらの捜索は警察や防災ヘリにより行われることが多いですが、山麓から捜索隊が登って地上から捜索する活動も不可欠です。この場合、危険な個所や広大な山岳地をできるだけ短時間に隈なく捜索することが求められます。このため多大な人員や、時間、費用、そして二次遭難のリスクが付きまといます。

これらを解決するために救助隊とjROでは、ドローン搭載のカメラによるリアルタイム映像により遭難者を発見できるかどうかの確認と、気候条件の厳しい中での飛行技術、機体の整備法などを研究してきました。

その結果、救助隊員の実感では“ドローンによる捜索はきわめて有効、かつ実用的な捜索方法”との結論を得ました。都岳連とjROではこの研究結果を都岳連内部のみでなく、全国の多くの山岳関係者や捜索関係者に紹介するため「ドローンによる山岳遭難捜索技術開発報告書」を発表しました。