2003年度第1号

東京都山岳連盟の法人化について考える

副会長 瀧島 清

東京都山岳連盟の法人化については、10年程前から大都岳連構想の中で、企画室を中心に研究されてきました。 当初は社団法人にする考えがありましたが、平成10年3月「特定非営利活動促進法」が制定され、この法と併せて検討してきました。
特に平成10年12月1日から施行された「特定非営利活動促進法」と、これに基づくNPO(NonProfitOrganization)法人については、歴代の企画室長を中心に資料の収集・配付・解説が行われて現在に至っています。

今年も、6月5日にオリンピック記念青少年総合センターで開催された平成15年度の理事研修会において、再びNPO法人化について企画室から提起され、熱心に討議されました。
その意見を集約しますと、専門家の助言や指導を得て具体的に調査・研究し、法人化を推進するという方向でした。

そこでこれを機会に、加盟団体をはじめ、より多くの都岳連関係者と共に、もう一度自分達の問題として考えてみたいと思います。
NPOに関してはたくさんの資料や本が出回っていますが、今迄に都岳連から配付された資料をもとに、都岳連に関わる事項について要点を整理してみました。

法人制度について

この特定非営利活動促進法における法人の形態は、「社団」であるとされています。社団とは、一定の目的を持って組織された人の集合体(団体)で、会則や定款などによって定められた目的を持ち、団体意思の決定、すなわち、どのような活動をどのように行うかを決定するシステムを持っていなければなりません。そのことから社団は、個々の構成メンバーから独立した別個の主体であり、社会生活上のひとつの人格として対外的な存在
と継続性を持つ組織であるといえます。

特定非営利活動の定義

特定営利活動は、次のふたつの項目にあてはまる活動とされています。

1) 法で定める17の活動のいずれかに該当すること。
17分野の活動が定められていますが、都岳連は、その中の「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」が該当すると考えられます。
2) 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する活動であること。

法人の要件

NPO法人は、15項目にわたる要件を満たす団体とされています。要約しますと、営利を目的としないことをはじめ、宗教、政治、政党あるいは暴力団などとのかかわりがないこと、社員、役員の資格や数、会計の原則などが定まっていることとなります。
都岳連は、この要件を満たす対応が可能と考えられます。

特定非営利活動法人になると

1) メリツト
・法人名で不動産登記ができます。
・銀行口座を法人名で開設できます。
・契約を法人名で締結できます。
・法人格を持つことによって、社会的信用が得られます。
2) 義務
・法人の運営や活動について、情報公開しなければなりません。
・税法上は課税されます。
・法に沿った法人運営をしなければなりません。
・解散した場合、残余財産は法で定められた法人
又は行政機関に帰属し、個々人には分配されません。

以上、項目の羅列で内容の説明が不十分ですが、夫々の立場に応じて研究して項きたいと思います。都岳連の現況は、法人の定義や要件に十分対応できると考えられますが、利点や義務が明確に成文化されますので、今迄以上に情報の公開や運営の透明化など、組織基盤の見直しや法人としての自覚が求められることになります。
要点のみ記しましたが都岳連の法人化について、関心を高めることと意識を整理すること等の契機になればと考えています。